何かと不安定な現代社会において、副業は将来への備えとして非常に有効な手段です。しかし、会社によっては副業を禁止していたり、推奨していなかったりすることもありますよね。
この記事では、副業が会社にバレる主な原因と、それを防ぐための具体的な対策、そして副業を行う上で知っておきたい注意点について解説します。
会社バレが心配な方も、この記事を読めば、きっと不安が解消されますよ!
1. なぜ副業は会社にバレてしまうのか?主な原因
副業が会社にバレてしまう原因はいくつかあります。
これらの原因を事前に把握しておくことで、適切な対策を講じることができます。
住民税の金額の変化
これが最も多い原因の一つです。
会社員の場合、通常、住民税は給与から天引き(特別徴収)されています。
副業で所得が増えると、その分住民税額も増えます。
市区町村から会社に通知される住民税額が例年よりも不自然に高額であると、経理担当者が不審に思い、副業が発覚するケースがあります。
社会保険の手続き
副業でも一定以上の収入がある場合、社会保険の加入義務が発生することがあります。
本業とは別の会社で社会保険に加入した場合、健康保険組合からの通知などで本業の会社にバレる可能性があります。
ただし、会社員としての副業で個人事業主として活動する場合、通常は社会保険の加入は本業の会社のみとなるため、このケースは稀です。
確定申告の内容
個人事業主として副業を行う場合、確定申告が必要です。
確定申告自体がバレる原因となるわけではありませんが、確定申告書の内容(特に所得の種類)によっては、会社に連絡がいく可能性があります。
同僚や上司からの情報漏洩・密告
人間関係が近い職場では、ふとした会話やSNSの投稿などから副業がバレてしまうことがあります。
特に、副業で成果が出始めて「周りに話したい」という気持ちになったり、副業に関する情報をSNSに投稿したりすることで、意図せず情報が漏れてしまうケースです。
勤怠状況や本業への影響
副業に時間を割きすぎて本業の業務がおろそかになったり、勤務時間中に副業に関する連絡を取ったり、疲労から集中力が低下したりすると、同僚や上司に異変を感じ取られる可能性があります。
本業のパフォーマンス低下は、会社が副業を疑う大きなきっかけとなります。

2. 会社にバレずに副業をするための具体的な対策
会社に副業がバレるリスクを最小限に抑えるためには、以下の対策を徹底することが重要です。
住民税の支払い方法を「普通徴収」にする
これが最も効果的な対策です。
副業所得にかかる住民税を、給与からの天引き(特別徴収)ではなく、自分で直接納付する「普通徴収」に切り替えることで、会社に住民税額の増額を知られることを防げます。
確定申告の際、確定申告書の第二表にある「住民税に関する事項」の「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法」の項目で、「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れることを忘れないでください。

副業で得た収入全てを普通徴収にできるわけではありません。
給与所得がある場合は特別徴収となるため、副業が「雑所得」や「事業所得」である場合にこの対策が有効です。
普通徴収にできる
雑所得に当たる可能性が高い副業
- Webライティング、ブログ執筆(単発の依頼や、そこまで継続的な収入ではない場合)
- アフィリエイト収入(ブログやSNSなどを通じた広告収入で、事業規模ではない場合)
- フリマアプリ・ネットオークションでの販売(不要品の販売や、趣味の範囲での小規模な販売)
- 講演料、原稿料(不定期に依頼される講演や執筆)
- FXや仮想通貨の売買益(個人の投資活動として行う場合)
- アンケートモニター、ポイントサイトの収入(小規模で継続性の低いもの)
普通徴収にできる
事業所得に当たる可能性が高い副業
- Webデザイナー、エンジニア、プログラマー(継続的に案件を受注し、事業として独立して活動している場合)
- Webライティング、ブログ運営(個人事業主として開業し、継続的・反復的に事業として取り組んでいる場合)
- オンライン講師、コンサルタント(専門スキルを提供し、継続的な顧客を持つ場合)
- ハンドメイド作品の販売(自身でブランドを持ち、継続的に制作・販売を行っている場合)
- せどり、転売(仕入れから販売までを継続的に行い、利益を得ている場合)
- フリーランスとしての活動全般(自身の判断と責任で事業を行い、生計の一部を立てている場合)
- 小規模な飲食店経営、民泊経営(継続的な事業として運営している場合)
普通徴収にできない(給与所得となる)副業の例
- アルバイト、パート(会社や個人事業主と雇用契約を結び、給与として報酬を受け取る場合)
- 日雇いの仕事(雇用契約に基づく日雇い労働
これらの給与所得は、本業の給与と同じく、原則として会社(副業先)が住民税を特別徴収(給与天引き)する義務があります。
複数の会社から給与を得ている場合、全ての給与所得が合算されて住民税額が計算され、最終的に本業の会社に通知されるため、副業がバレる可能性が高くなります。
会社や同僚に副業について話さない
当たり前のことですが、これが最もシンプルで確実な対策です。
どれほど親しい同僚であっても、どこで情報が漏れるかわかりません。
SNSなどでも、副業に関する情報は一切発信しないようにしましょう。
匿名アカウントを使う場合でも、個人が特定されるような情報を掲載しないよう細心の注意を払ってください。
本業に支障が出ない範囲で行う
副業がバレる原因として、本業のパフォーマンス低下は非常に危険です。
無理のない範囲で副業を行い、本業の業務に集中しましょう。疲労をため込まず、体調管理にも気を配ることが重要です。
勤務時間中に副業に関する連絡を取ったり、副業の作業をしたりすることは絶対に避けましょう。
副業の内容を慎重に選ぶ
本業と競合するような副業は避けるべきです。
会社の機密情報やノウハウを副業に利用するような行為は、就業規則違反だけでなく、法的な問題に発展する可能性もあります。
また、本業の顧客や取引先と副業で関わることも、トラブルの原因になりかねません。
個人事業主として開業届を提出する(任意だが推奨)
副業が継続的に収入を得る目的で行われ、事業として成立すると判断される場合、税務署に「開業届」を提出し、個人事業主となることも検討しましょう。
個人事業主となることで、経費計上が認められ、節税につながる可能性があります。
また、青色申告承認申請書を提出することで、最大65万円の青色申告特別控除を受けることも可能です。
開業届を提出したとしても、それ自体が会社にバレる直接的な原因にはなりません。
税務署から会社に情報が連携されることは基本的にありませんのでご安心を。

3. 副業をする上での注意点
バレない対策だけでなく、副業をする上で知っておくべき注意点も確認しておきましょう。
就業規則の確認
まずは何よりも、会社の就業規則を確認しましょう。
副業が「原則禁止」なのか、「許可制」なのか、あるいは「自由」なのかによって、とるべき行動が変わってきます。
もし副業が禁止されている場合は、リスクを十分に理解した上で慎重に判断する必要があります。
本業と副業のバランス
副業に夢中になりすぎて、本業がおろそかになってしまうと元も子もありません。
本業での評価が下がる、疲労が蓄積して体調を崩すなど、本業に悪影響が出ることは避けましょう。
副業はあくまで「副」であり、本業が基盤であることを忘れないようにしましょう。
税金と確定申告
副業で得た所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です。
確定申告を怠ると、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される可能性があります。
所得の種類(給与所得、雑所得、事業所得など)によって、税金の計算方法や控除の種類が異なりますので、事前に確認し、必要であれば税理士に相談することをおすすめします。
個人情報の管理
副業で顧客の個人情報などを扱う場合、その管理には細心の注意を払いましょう。
情報漏洩は信用失墜だけでなく、法的な責任問題にも発展する可能性があります。
セキュリティ対策を徹底し、信頼できるツールやサービスを利用するようにしましょう。
4. 副業がバレてしまったら?
万が一、副業が会社にバレてしまった場合でも、冷静に対応することが重要です。
- 就業規則を確認する
- まずは、会社の就業規則に副業に関する規定がどのように明記されているかを確認します。
- 正直に説明する
- 曖昧な返答や嘘は、状況を悪化させる可能性があります。
正直に副業の事実を伝え、本業に支障が出ていないこと、会社への貢献は変わらないことを説明しましょう。
- 曖昧な返答や嘘は、状況を悪化させる可能性があります。
- 改善策を提示する
- もし本業に支障が出ていると指摘された場合は、具体的な改善策を提示し、誠実な姿勢を見せることが大切です。
- 会社の指示に従う
- 最悪の場合、副業の停止を命じられたり、懲戒処分になったりする可能性もあります。
会社の指示には従うようにしましょう。
- 最悪の場合、副業の停止を命じられたり、懲戒処分になったりする可能性もあります。
5. 副業を成功させるために知っておくべきこと
副業で収入を増やし、自己成長を叶えるためには、単にスキルを磨いたり、稼ぐ方法を学ぶだけでなく、適切なリスク管理が不可欠です。
会社にバレる可能性のある原因を理解し、前もって対策を講じることで、精神的な負担を減らし、安心して副業に取り組めるでしょう。
今回ご紹介した具体的な対策や注意点を実践すれば、「副業に興味があるんだけど、バレたらどうしよう」といった不安もきっと解消され、第一歩を踏み出す勇気につながるはずです。
この記事が、皆さんの今後の副業ライフに役立つことを願っています!