前回は企画書に盛り込むアイデアについての解説でした。
これまで「ゲーム企画入門」を読んでいただいた方であれば、自分の用途に合った企画書の構想ができていたり、すでに企画書を作り始めている人もいるのではないでしょうか。
今回は、企画書ができて誰かに見せる際、状況は変われど必ずしなければならない「プレゼン」について解説していきたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください!
プレゼンとは
「プレゼンテーション」を略した言葉で、「聴衆に何かを提示して、理解を促すこと」を意味します。
単に説明するだけでなく、自分のアイデアや意見、企画などを相手に伝え、承認や共感を得るための重要なコミュニケーション手段です。
ビジネスでは、新企画の提案、事業報告、新商品の発表など、さまざまな場面で行われます。

ゲーム企画のプレゼンをする場面
ゲーム企画のプレゼンは、主にスポンサーや企業の上司、上層部に対し、予算やプロジェクト化の承認を得るために行われます。
プロジェクト化が決まった後でも、企画内容の共有や説明のために、プロジェクトメンバーや関係部署に対して行うこともあります。
プレゼンとは「企画の内容をしっかり伝えること」
プレゼンで最も大切なのは「企画の内容をしっかり伝えること」です。
どれだけ素晴らしい企画書を作っても、プレゼンでその魅力が伝わらなければ意味がありません。
独りよがりになり、聞き手を置いてきぼりにすることなく、しっかりと分かりやすい口調で話すことが大切です。
プレゼンは、基本的に聴衆は事前情報がない状態で聞きます。
そのため、序盤で企画の全体像を伝え、その後に詳細を説明するなど、後に行くにしたがって聞き手の理解が深まるような構成が重要になってきます。

プレゼンとは「企画の内容を分かりやすく伝えること」
分かりやすく伝わるプレゼンは、企画書の内容をそのままなぞって話すだけでは不十分です。
プレゼンでは、企画書には書ききれない情報を口頭で補足し、聞き手の理解を深める工夫が求められます。
例えば、市場の既存作品との比較を交えたり、イメージの湧きづらい内容に対しては「○○を連想してください」などの補助情報を入れることで、聞き手の理解度を上げることができます。
そうすることで、より理解しやすく、相手に伝わり、印象の良いプレゼンになるのです。

ゲーム企画のプレゼンは誰がする?
これまでの記事で、ゲームプランナーの企画書制作への取り組みについて解説してきましたが、多くの企業では、現場の「ディレクター」もしくは「プロデューサー」によりプレゼンが行われるケースがほとんどです。
しかし、ゲームプランナーは、後にディレクターやプロデューサーへのキャリアステップを行うことがほとんどなので、
プレゼンスキルをつけておいて損はありません。
必ずあなたの役に立ちます。

ゲーム企画のプレゼンはどこでする?
- 社内の会議室
- 上司や役員に企画の承認を得るためのプレゼン。
- イベント会場
- ゲームファンやメディア関係者、投資家向けに新作タイトルの発表を行うプレゼン。
- オンライン会議
- リモートワークの普及による、ZoomやGoogle Meetなどを利用してのプレゼン。
- クライアント企業
- 協業先や受託開発の場合、クライアント企業に企画提案を行うプレゼン。
- 面接会場
- ゲーム会社への就職・転職活動において、面接官に自身の企画をプレゼン。

あがり症の人は?
やってみたい対処法
- 台本を作り、読み込む
- 話す内容を完璧に頭に入れておけば、自信を持って話すことができます。
※間違えないことばかりに捉われ、硬い印象にならないよう注意しましょう。
- 話す内容を完璧に頭に入れておけば、自信を持って話すことができます。
- 練習を繰り返す
- 人前で話すことに慣れるため、友人に聞いてもらったり、聴衆に向かって話していることを意識し練習してみましょう。
- 深呼吸をする
- 緊張したら一度、大きく深呼吸をして心を落ち着かせましょう。
- 聴衆を「カボチャ」だと思い込む
- 視線が気になってしまう場合、聴衆を人ではないものだと思い込むことで、緊張が和らぐことがあります。
- 開き直る
- 「多少間違っても大丈夫」と割り切ることで、リラックスして話すことができます。
日頃から心掛けておきたいこと
- 声を出して本を読む
- 大きな声で話す練習になります。
- 友人と話す
- 会話の中で自分の意見を分かりやすく伝える練習になります。
- 相手の反応を意識する
- 相手の表情や反応を観察し、話すスピードや内容を調整する練習になります。
- インプットを増やす
- 多くの知識があれば、話す内容に深みが出ます。

プレゼン力は色々生かせる
- 面接
- 自己PRや志望動機を面接官に分かりやすく伝えることができます。
- 商談
- 営業職であれば、自社製品の魅力をクライアントに伝える際に役立ちます。
- 会議
- 会議で自分の意見を明確に伝え、周囲を納得させることができます。
- 日常の会話
- 自分の考えを相手に分かりやすく伝える能力が向上し、コミュニケーションが円滑になります。

まとめ
今回は、ゲーム企画におけるプレゼンについて解説しました。
プレゼンは、企画書に込めた情熱やアイデアを最大限に引き出し、聞き手の心を動かすための重要なスキルです。
あがり症の人でも、準備をしっかり行い、練習を繰り返すことで必ず上達します。
また、プレゼン力はゲーム業界だけでなく、様々な場面で役に立つ一生もののスキルです。
ぜひ、日頃から意識してスキルを磨いてみてください。
企業の面接のときなど、その場で持ち込んだ企画書のプレゼンを求められるケースもあります。